2025-08-30 07:00 am by 須坂新聞
須坂市出身のガールズケイリン選手、豊田美香さん(29)が先ごろ、帰省し、本紙の取材に応じた。昨年7月の本格デビューから1年が経過した。現在通算出走数90、優勝0、1着8回。今期得点は52.88。徳島県(ホームバンクは小松島競輪場)を拠点に全国各地のレースに出走している。「3日間走る競輪はメンタルなスポーツ。気持ちで負けると走りが消極的になるので切り返しが大事」
豊田選手は教員から競輪の道に進んだ異色の新人としてテレビに2回紹介された。旭ケ丘小、相森中、須坂高校に通った須坂時代はバスケットボールに打ち込んだ。体育の先生を目指して宮城教育大学に進学。バスケも続けた。保健体育や特別支援等の単位を取得。卒業後、徳島県の小学校で特別支援学級の講師となり教員の道へ。
赴任した徳島県は、教育大のバスケットボール全国大会が開かれた思い出の場所(鳴門教育大学主催)。知り合いができ、好印象を受けたという。
1年目に教員採用試験に合格。2年目からは徳島市の特別支援学校小学部に勤務した。
■自転車通勤が転機に
自動車通勤からマウンテンバイクに変えたところ、ロードバイクが趣味の高等部の先生から声がかかった。
「週末カレーを食べに一緒に行こう」。山間地まで往復70kmを先生の知人2人と4人で走った。3人は長距離を楽に走れるロードバイク。豊田さんは3人に遅れず「走り切れて楽しかった」。すぐにロードバイクを購入。その後はサイクリングチームにも所属し、週末はロードバイクを楽しむ生活を満喫した。
その様子を見ていた徳島のお父さんと慕う高等部の先生から「そんなに自転車が好きなら競輪選手を目指したら」と声がかかった。
持ち前のガッツや体力を見込んだのか、同先生から「俺の息子の幼なじみ(川口雄太競輪選手)が帰ってくるので一緒に食事をしよう」と誘われた。
豊田さんは「仕事にもやりがいを感じていて、ロードバイクでバランスが取れていたのでこのままでいいと思っていた」という。
■川口選手に出会う
話を聞くだけの軽い気持ちで出席したが、その時の出会いが人生を変えるきっかけとなった。豊田さんは、その後競輪の師匠となる川口選手(28)の助言を受けることとなり、日本競輪選手養成所候補生を目指してトレーニングを開始した。
応募期限の関係で願書を提出したのは次の年。26歳の教員生活5年目。勤務校は3校目の三好市の特別支援学校。徳島市から片道1時間超の往復生活をしていた時だった。
「半年間タイムが出なかった。このままでは合格できない。師匠に恩返しができないと焦った時もあった。効率のいい短時間の練習メニューに変え、半年後にはタイムが出た。練習と教員の両立は大変だったが、努力が実ってよかった」。合格は母校宮城の卒論指導教授(運動生理学)の助言を受けたことが大きかったという。
一次、二次試験に合格。教員をやめ、2023年5月中旬に日本競輪選手養成所(静岡県)に入り、24年3月上旬まで10カ月間、競輪選手養成研修を受けた。負けず嫌いのガッツを示し、年3回の記録会ではB、A、Aの成績を残した。同期は126期で現在18人。
7人で走るガールズケイリンは、6人との駆け引きや選手の思惑が複雑に絡み合うドラマチックなレース展開が人気を呼んでいる。
「全力を出し切ることが仕事。走るからには期待に応えたい。自分らしく走ろうと気持ちを切り替えている。目の前のチャンスを全て手にしたい」
家族は「(美香さんは)仙台でも徳島でも人に恵まれた。人生1回しかないので競輪選手に反対はしない。本人の気持ち次第。やりたいならやりなさいと背中を押し、応援している」と話す。
目標はG1出場。「けがをせずに現状維持できればいい」
2025-08-30 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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